彼方の乙女たちの歌

星のささやきが胸を満たしていく
優しい月の光が終わる頃
奏でられた物語

遠く遥か遠いむかし
凍れる刻に沈んだ月
あなたの想いに揺れる花を
さらっていく嵐の風

そのとき世界は果てるもの
永久の闇が王となった

凍えないで
目を閉じないで
あなたに手を伸ばし続ける
伏せられた目
流れを形作る髪
花抱く君の頬に
温もりがないなんて

「この世に神がいるならば、それは私の知らない世界」





神法聖歌

死命よ。
あなたの名前を知っている。
あなたは生命。
あなたは原初。
わたしのかたわらで目覚めるあなた。
そのほとりでわたしは夢紡ぐ。
この世の安らかなるさまを。
彼方にある光を。
その道筋へ解き放つ。
あなたがたに、光あれ





即興歌

壊れてしまう世界を愛おしむこの思いは歪んでいるのでしょうか
運命という言葉を口にして私の唇はひずむ
悲しみの果てに愛の行方は知れないけれど
地平を昇ってくる朝日に希望を知る
希望を刻む
苦しみの中に夢などないのに
苦しみを経てこそ夢がある

この世のすべてに言い訳をして
名前をつけては解いてく
無数の糸が私たちで
無限の意図が私たちだ

自由になれ
自由になれ
留まるな 畏れるな
お前を縫い付けるものなど何もありはしない
自己意識の中にある穴も
銀の釘で塞がれることはない
器に揺れる暗色の海に白い鍵を置いて叩き続ける
淀む瞳は黒色こそ見通せる

光に出よ
かざすな
眠ってはならない
お前をけがすものなど
お前に声があるならば





剣の啼き声

この心を食い破る
君を求める咆哮
けれど君を傷付けはしまいかと
破れた心が血を流す

現実の手に触れた夢の残響
最後の声が悲しく僕の苦しい真実を歌う

歪む心を抑えつけて
強さを刻んで
乾いた笑顔に触れて
愛を教えて





別離の歌唱

滲む手のひら

さよならの永遠
さよならのいつか
さよならの無限
さよならのまんなか
さよならの有限
さよならのおわり
さよなら
さよならの
さよなら
さよならの
さよならの

光るしずく





祝祷恋歌

出会いの意味を知って
鼓動はまだ鳴り止まない
無数の言葉を重ねていった
刹那でさえ光に変わる

聞こえない 聞こえない 歌っていて
愛を
歌いつづけて……


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