Sanctuary twilight

世界の終わりに両手を振って
傷ついた手のひらで涙を拭い
それから君を
君を



記憶の光はいつでも 海の底から眺めた太陽のよう
星は届かず 波にさらわれて
ああそれはもしかして
私の泣き声だったのかも

銀の雲の果てから 降り立つものを見た
いつかの誰かのカミサマだったのかな

雲の狭間から届く緋が照らしているのは私だけではなく
だからこの世界には悲しみが
誰も救えない私が

世界の終わりに膝はくずれ
傷ついた手のひらで顔を汚し
紅に染まる武器を手にして
獣のうなりをあげた私はそれから君を
君を



記憶の闇はいつでも 治りきらない傷に爪を立てるよう
痛みはいつでも 鮮明に感覚する
そうそれはたぶん
私の泣き声と同じだった

地を這うように駆けていく私は
誰かのためになりたかった成れの果てだった

地を行くかぎり空から逃げられないのは私だけではなく
だから手を伸ばすことを
何も掴めずとも

世界の終わりに立ち上がり
傷ついてなどいないと叫んだ
朱色の雫がこぼれる
流れ出していく命に恐れなどない私は
それから君を
君を



世界から解き放たれないのは私だけではなく
だからこの世界には悲しみが
だから手を伸ばすことを



壊すように歌う私はあなたを救いたいだけだった



引き金を弾くかぎり私たちは終わりから逃げられない
だからさよならをしよう
私は君に逢えて

世界の終わりに両手を振って
傷ついた手のひらで涙を拭い
それから君を
君を



それから君を
愛して


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St.アンダーグラウンド

人の名が消えた 白い空
鳴り響く 溢れる境界音
視認できない玉座
運命の街

名ばかりの運命は覚悟を必要としない
血を流して眉をひそめた
同じ色を空に見た

希望が堕ちた空に花
真実の鏡を殴り割る
光を撃って
心を壊して
この場所に刻む 痕
解放をうたえ


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Same title

耳を澄ます一歩の難しさ
手を伸ばし声枯らす易しさ
求めることはありきたり
失うことはあっけない

街の光は目を潰した
月と星は踊ってわらう
夜の底は心地よく
つぶやいた これは孤独

闇に溶ける温もり
あなたの冷たさ
光に似てる
おぼえていて ここに
離せなかった私がいた


傷ついた指でなぞる曖昧
どこにでもある言葉の慰め
歌うことは悲しみそのもの
紡ぐ言葉は不幸の証

君の呼び声は銃声
鍵と留め具はどこかへ失せた
行き交う時間に身を委ね
ねがいをかけた 見つかるように

凍える息に生まれた
あなたの強さ
闇と同じ
ゆるさないで ここに
愛おしいと思う私を


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Silence tone

永遠を見たの
眠りに落ちる前
あなたの吐息と微笑みの間に
私には触れられなくて
またたきの狭間へ
あなたの瞳に宿った

閉じたまぶたに口づけて
淡い温もりを確かめた
永久には冷たく
唇には甘い
痺れるように胸を刺す
ここで生きるしかないのだ


未来を見たの
目覚める瞬間
知らずにこぼれた涙と吐息に
私には触れられなくて
悲しみの向こうへ
あなたの目指すところへ消えた

伸ばした手にささやいて
淡い勇気を確かめた
永久には優しく
唇には熱い
切り裂くように胸を貫く
あの光を

あの光を
目指さなければならない
この闇に置いていかれないように

あなたに置いていかれないように


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