51−60

ふわりゆらり
花びらが泳ぐ
ただ一人のそれは
いつか君が口付けた花だろうか
―――60




置き去りにされた陽だまりの
微かな影の足跡が
いくつかの道を残し
僕らが出会う道標になる
―――59




沈黙の雪が降り積もり
静かに凍る心は冷たくて
ただ待つのはあなたからの
春日のような言葉だけ
―――58




常春の平穏な園で
咲き続ける花の下
可変の世の夢を見る
とこしえに
―――57




この暗雲から光が差し込むのなら
私はそれを導く道標になりたい
迷い泣く貴方の心に
寄り添う者になりたい
―――56




鮮やかな世界の歌を歌うのは
空と風と大地たち
柔らかな世界の歌を歌うのは
微笑み笑う君たちだ>
―――55




夢の中で触れる
指先から零れる思いが
頬を伝う涙を拭い
溢れる愛しさに解けていく
―――54




この海を越え
この空を越え
その色に溶け込んで
風の色は青い
―――53




幾度かの涙の後
残ったのは
君の強さと 君への愛しさ
―――52




いつか消え行く儚きものたち
いつか消え行く愛しいものたち
この世は無常だと知っているから
私は無情でありたかった
―――51


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