Feel いつかの幸福の切れ端
想いの強さ
手を引いて 何処までも
無骨な手で
不器用な優しさを
私は知ってる
触れる事を恐れないで
逃げないで
傷付かないものはないけれど
貴方からの傷なら乗り越えられる
傍にいる事の痛み
同一でないが故に 痛みに泣いた夜がある
傷付く事を恐れる為に 背を向けた心がある
付け合う傷跡は私たちを繋ぐ
私たちの思いは 擦れ違いながらも解けてゆく
舐め合った傷は
いつしか愛を孕んでいた
貴方と生きる
言い訳めいた誓いよりも
不確かな未来を信じるよりも
この瞬間に重なり形を為す
一瞬一瞬の愛と未来を
触れる世界の話
緑芽吹く大地も
傍を行く風も
手の届かない天空も
流れる水も海も
優しく私に触れる
何処までも続くすべてが
貴方の愛しい心で
別れの言葉
あの微笑みを刻んで
触れた全てに愛を注いで
壊れた幸福に微笑んで
最後、覚悟に泣いた
別れの時がやって来る
擦れ違う
消えろ
全てが歪んで映る前に
その幸福ばかりの日々の記憶を
届いて
言葉が歪んで変わる前に
私はその日々を決して後悔しなかったと
いつかの二人
無機質な胸に触れて
名前を呼んで
流れる涙を包んで
生きようと誓って
刻まれて遺るもの
真昼の星は 天から消えたのではない
何処か遠い所に 確かに存在している
触れる者亡くなった手に輝く
貴方が残した希望のように 確かに
まだこの胸に焼き付く
泣きたいくらいの愛しさと同じで
始まりの欠片
他人を傷付けて 自分が傷付くのが怖ろしかった
人知れず誰かを傷付ける事を知らずに
ひとりでいる事を選んだ
離れていく指先
しかし心は寂しいのだと訴え
掴む物もないのに虚空に手を伸ばす
けれど伸ばされる指先
「だったらふたりでいましょう」
簡単な事でしょう と 貴方は笑って
泣いて
＜＜ BACK