蒼海の物語

太陽と月は空と笑い
羅針盤は出会いの流転を示す
いくつかのさよならを鳥は渡り
羽ばたきが始まりを鳴らした

彼方の星は泣いた
わたしには光しかないと
あなたの輝きはわたしを照らすと

風に広げた手を
翼に変えて
あなたに今から出会いに行く
声が枯れても手を伸ばす
なにもないからあなたの手を取れる


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秘め君の鍵

閉じ込めた心の箱の鍵をなくしました。
世界が見えなくなるのと同じくらい、
色に乏しい、暗闇でのことでした。

色とりどりの永遠を並べられ、
ひとつを選べと言われました。
それなら空をゆく翼がいい。
海を翔る鳥ならば、
なくした鍵の光を見るでしょう。

星の光のひとつが翼に誘われ、
開かない小箱を照らす。
心はふるえてあなたに尋ねた。
「わたしの名前をきいてくれる?」


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